出入国管理法改正と外国人労働者受け入れについて

6月24日にNHKで放送された「ノーナレ 画面の向こうから」で、外国人技能実習生の状況について取り上げ、ネット上で企業を特定しようとする動きや、今治タオル不買を呼びかける声が上がるなど炎上騒ぎに発展しています。

NHKのサイトでは下記コメントを掲載してしました。

特定の企業(森清タオル・オルネット)を中傷する内容がインターネットに書き込まれていますが、その企業は、当番組で取り上げた会社ではありません。

出典:ノーナレ「画面の向こうから―」を紹介するNHKのページより。

この番組は、愛媛県のタオル縫製工場で働く、ベトナム人技能実習生たちが劣悪な労働環境で働かされ、それを訴える様子を取り上げたドキュメンタリー番組です。

この炎上を受けて、今治タオルブランドの認定や商標などを管理する今治タオル工業組合(以下「組合」)は、ー昨日公式見解として「NHKノーナレ報道についてのご報告」を発表しました。その中で組合は、報道された企業は「組合員ではない」としながらも、組合としての責任があることを認めています。

日本の労働人口が減少する中で、今年4月改正施行された出入国管理法は新たな在留資格が創設されるなど、「実習生」ではなく「労働者」として受け入れやすくなりました。

これまでも実習制度では過酷な労働実態が度々報じられているように、不当な労働者の扱いが横行すれば、それまで築いてきた知的資産の”ブランド”の毀損につながるだけでなく、優秀な外国人から働き口として敬遠されていくことでしょう。受け入れ側がいかに高いモラルを維持していくか、今回、今治タオルが直面する問題は、どの企業にとっても無縁なものではありませんね。