何故今、行政書士なのでしょうか?

行政書士の樋口雅子です。

初めての投稿はどんなテーマでお話しようかと随分迷いましたが、何故行政書士になったのか、何故今行政書士なのかについて少しお話ししてみたいと思います。

そもそも私が法律を学び始めたキッカケは、『コンプライアンス』の重要性を感じてしまったから。。。かなと考えています。

コンプライアンス(compliance)とは、何でしょうか。ネットで調べるとすぐに『法令遵守』と出てきますね。おそらく、コンプライアンスが「法令遵守」という意味だという事は多くの方がご存知だと思いますが、コンプライアンスとは、主に企業がルールに則って業務を遂行することを指しています。

でも実は、コンプライアンスは法令を遵守すれば良いというものではないのです。企業論理や社内規則等、そして社会規範もすべて遵守すべきと言われています。つまり法令を守る事は最低限のことで、守ってあたりまえの事なのです。コンプライアンスで重要なのは、法律を守ること、、、ではなく、その行為が正しい行いなのか、誰の前でも堂々と説明できる行為かという事です。つまり社会の常識や人としての倫理観なども踏まえて、考える必要があるといえますね。

実際、現実はどうでしょう。

昨年も中央省庁や自治体の障害者雇用水増し問題、文科省・東京医科大学の裏口入学問題、自動車メーカーの品質不正、スルガ銀行の不正融資など、国も大企業も不祥事が後を絶ちません。

何故でしょう。

法律や規則に違反しているか、否かという事だけではなく、企業には社会的責任(CSR)があり、個人も人として倫理的責任があります。利益のためなら現行の法に触れない限り何をやってもいいんという事ではありません。誰もが当たり前の事のように頭では誰もが理解できているのに、不祥事が後を絶たないのは何故でしょうか。

私は、その原因は「環境」に問題があると考えています。内的要因よりは外的要因が大きいと考えています。つまり、正しい行動が出来る環境にない。例えば、それは間違っていると思っていてもパワハラ上司で反発できないとか、悪しき慣行などもあります。今までそうやっているからと言われて、何も言えなくなった経験はありませんか。

昨年起きた事件、上からの圧力を感じて悪い事を悪いと知りながら実行してしまった日大の不正タックル問題はそういう意味でもかなりショッキングな事件でした。コンプライアンスという考え方を企業も真剣に考え、そして個人的にも考える必要があるのではないでしょうか。企業でコンプライアンス経営を実践していくためには、経営側がその重要性を理解し、教育の機会をもつ事も重要だと考えています。

私の知る中小企業ではコンプライアンス違反と思われる事が、日常的に起こっていました。特に小さな会社では、トップの考えが変わらないと中々変えることは出来ません。悪しき慣行が続き、人材も疲弊し、悪循環が繰り返されていました。

コンプライアンスを軽視する経営姿勢は、企業の成長につながりません。一時的な利益に貢献する事はあっても、結果的には悪い方向に進んでいきます。逆にコンプライアンスを重要視する経営姿勢は、確実な成長につながっていきます。社員が安心して仕事に集中でき、取引先も安心できる、そんないい関係が出来上がってていくからです。

私は、法律を学びその法律の持つ意味を考えていくうちに、コンプライアンス経営を推進していきたい、そしてそれを推進することで地域の成長に貢献していくことが出来ないだろうかと考えるようになりました。そこで出会ったのが行政書士です。行政書士の業務が「頼れる街の法律家」と言われるのは、幅広く対応できるからです。紛争があるわけではないので弁護士さんに頼むほどではないけれど、法的にどうなのか知りたい、特許や商標までではないけど財産を守るために著作権登録しておきたい、経理を雇うまでもではないし、税理士さんに頼むほどではないけれど、正しい会計処理をしたいなど、行政書士なら日々の暮らしやビジネスの中で出てくる困りごとの解決のお手伝いができます。更に、行政書士は他士業との連携が蜜です。小さなお困りごとでもよく掘り下げてみたら、更に専門家の力が必要になることもあります。例えば特許は弁理士、紛争は弁護士、税務申告は税理士、労務関係は社労士等、専門家の皆様の力を借りて、進めなければならない案件も出てきます。その場合にも行政書士ならそれぞれをコントロールしながら、解決に向けた提案が出来るのです。

今、中小企業では、人材不足が大きな問題となっています。仕事はあるけど、人がいない、、、そんな話をよく聞きます。そんな日々の業務に追われる中で、コンプライアンスの重要性を社内で反映することは難しいのではないでしょうか。でも小さな会社でも成長している会社はコンプライアンスを重要視しているケースが多くみられます。社員が幸せになれる会社です。大企業なら専門部署を置くことが出来るかもしれませんが、成長途上の小さな会社では、専門部署を置くことは困難だと思います。

当事務所では、知的資産経営及びPマーク(プライバシーマーク)の取得を推進しながら、企業理念に基づいた行動規範がなされているか、コンプライアンスの重要性を軸に一緒に考えていきます。

知的資産経営の重要性をお示ししながら、経営者のビジョンを従業員の皆様が理解し、同じベクトルで向かっていくためのサポートをいたします。Pマークを未だ持たない企業には新規取得を、既に取得されている企業には見直しを、単なる取得や更新のための規定ではなく、業務プロセスを見極め、リスクの洗い出しを行いながら、それぞれの企業に合った個別の規定についても提案してまいります。

また先ほど少し触れましたが、行政書士は他士業(弁護士や税理士など)のように「〇〇士」という〇〇の分野の専門的士業ではなく、幅広く対応できるのも行政書士ならではの特徴です。そのため様々なお困りごとに対応でき、必要に応じて弁護士、社労士、中小企業診断士、弁理士、税理士、司法書士等の専門家とも連携しながら、問題解決に向けた提案や実行、そしてそのコントロールなど幅広く対応できます。この点が他士業と行政書士が異なり、また行政書士を活用するメリットと言えます。

あなたにとって、何が最善なのか、どのような結果を目指すのが一番良いのか、そのゴールに向かって進んでいきます。是非、当事務所をビジネスや日常のお困りごとのパートナーとしてご活用ください。