著作権登録、著作物利用は行政書士を活用しましょう。

著作権法をめぐる争いで、JASRACが職員を音楽教室に2年間通わせて潜入調査していたニュースがありました。この裁判の主な争点は3つあるようですね。

  1. 楽曲を利用している主体は誰か
  2. 教室の生徒は「公衆」といえるのか
  3. 教室での演奏は生徒に楽曲を聞かせることが目的といえるのか

そしてこの職員は9日、「2」の「公衆」についての証人として出廷するそうです。

著作権法22条では、
「(上演権及び演奏権)著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。」と定められ、著作権法2条5項では、「この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。」としています。
9日の証人尋問では、音楽教室の生徒が法律でいう「公衆」に該当するか否かが争われるのです。

この公の演奏について、JASRACは、ダンス教室の判例(JASRAC勝訴)を掲載し、下記のように回答しています。

Q 楽器教室での演奏は公の演奏にあたらないので演奏権は及ばないのではないですか。

A    楽器教室において音楽著作物を演奏する主体は、著作権法上の規律の観点から、当該楽器教室の経営者です。そして、楽器教室における音楽著作物の利用は不特定の顧客(受講者)に対するものですから、公の演奏にあたります。各種教室事業のうちダンス教室における音楽著作物の演奏利用は公衆(不特定かつ多数)に対するものとの判断が既に示されています(名古屋高判平16・3・4判時1870号123頁)。

出典:JASRACホームページ 楽器教室における演奏時の管理開始について(Q&A)

このダンス教室の事件は、昭和63年には最高裁の判例で、クラブキャッツアイ事件(カラオケ法理と言われてます)の考え方をあてはめて勝訴してます。

ホステス等が歌唱する場合はもちろん、客が歌唱する場合を含めて、演奏(歌唱)という形態による当該音楽著作物の利用主体は被告であり、かつ、その演奏は営利を目的として公にされたものであるというべきである

最高裁判例 昭和63年3月判決 音楽著作権侵害差止等請求事件 判旨より

音楽教室の著作物利用が大きな裁判になっていますが、例えば音楽教室だけではなく、ライブハウスや飲食店等で市販のCDを流す場合も著作物の利用にあたりJASRACへの支払いが発生する場合があります。また、オリンピックに向けて、店内でTV放映をする場合も注意が必要です。

JASRACへの許諾手続きが不要なBGMの利用方法の確認

また、前から知っているけど、誰が著作者かわからないような著作者不明の著作物の利用する場合は、文化庁による裁定制度があります。誰が著作者かわからなくても、著作物の利用には注意が必要です。

日本行政書士会は裁定申請代理を担当しています。また、著作権の文化庁への登録申請は行政書士の専管業務です。著作権の「コレってどうなの??」は、行政書士にお問合せください。